夏越の大祓

6月 30, 2023nihon-no-kamisama, picture, 季節の行事

半年の厄を払い、残り半年の無事を願う神事

夏越の祓とは、1年の半分にあたる6月30日に、半年の間に身に溜まった穢れを落とし、残り半年の息災を祈願する神事です。

平岡神社

神社には人の背たけよりも大きな茅の輪が据えられ、参拝者はここをくぐって厄除けを行います。

大鳥大社

茅の輪くぐりの作法は、の字をかくように左足から、左・右・左。

人型の紙で体にふりかけ、身を清めてからくぐる神社もあります。

人形に自分の名前や年齢を書き、体をなでたり、息を吹きかけたりして、罪や穢れを託します。

体の悪い部分をこすることで人形に厄を移すといった風習もあるそうです。

茅の輪くぐりを行った後で、人形は身代りとして神社におさめたり、川に流したり、火で焚き上げたり、

神社によって異なりますが、厄を払い、残り半年の息災を祈願します。

生田神社

丹生川上神社中社

「蘇民将来子孫也」と唱えながら 茅の輪をくぐって下さい。という記載のある神社もあったり、

伊勢の町の軒先に「蘇民将来子孫の家門」と書かれた御札が下がっていたり、御守りなども。

蘇民将来(そみんしょうらい)とは、人の名前で、茅の輪は、蘇民将来の伝承に由来します。

かつてスサノオノミコトが旅先で、蘇民将来の兄で裕福な巨旦将来(こたんしょうらい)に一夜の宿を求めましたが、

断られました。しかし貧乏な蘇民将来はスサノオノミコトに快く宿を提供します。

スサノオノミコトはそのお礼として、”今後、疫病が流行しても『蘇民将来の子孫也』といって、

茅の輪を腰に付ければ、その災厄から免れることができるだろう”と言って、茅の輪を授け、立ち去りました。

その後、疫病が流行り、巨旦将来の一族は滅びましたが、蘇民将来の子孫は腰に着けた茅の輪のおかげで

その後もずっと疫病から逃れて繁栄したそうです。

この蘇民将来の伝承と夏越の祓の行事がいつしか結び付き、現在のように夏越の祓に茅の輪を

設置するようになったとのこと。

「私は蘇民将来の子孫です(だから守ってくださいね)」という無病息災、魔よけの意味であります。

氷に似せた邪気を払う和菓子 水無月

室町時代の宮中では、冬から氷室で保管していた氷で暑気払いをしていました。しかし、氷は庶民には大変貴重なもの。

そこで形を似せた甘いお菓子で、息災を祈願したのが「水無月」です。

ういろうの上に乗せた小豆には悪魔や邪気を祓う意味合いがあり、今でも夏越の祓には欠かせない和菓子です。

1年のうちで昼間の時間帯が最も長くなる、夏至(6月21日頃)から数えて11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃まで

の5日間を半夏生といいます。関西ではタコを食べる風習があります。

田植えは「夏至の後、半夏生に入る前」に終わらせるものとされ、農家さんにとってこの繁忙期、

タコの足にある吸盤のように、苗がしっかり根付き稲がたくさん実るよう願いが込められているとか。

神社さんによって設置期間が違い、6/30以降の設置されている神社さんもあります!

お調べになって、ぜひとも茅の輪くぐって残り半年を無病息災、元気にお過ごしください!