七草粥                                      

1月 7, 2022food, picture, shrine, temple, 神社仏閣

 

日本では昔から、春の七草を刻んで入れたお粥を食べることで長寿や無病息災を願ってきました。現在では、正月料理のごちそうで疲れた胃腸を休めるという意味も含まれています。

奈良・平安時代のころ、中国から陰陽道の「節句」という考えが伝わり、1・3・5・7・9の奇数を「陽」とし、同じ陽数が重なる1月1日(元旦)、3月3日(上巳:じょうし)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽:ちょうよう)を季節の節目と考えるものです。中でも特別な1月においては、元日には鶏、2日には狗(いぬ)、3日には羊、4日には猪、5日には牛、6日には馬を大切に扱い、6日間占いを行う風習があったそうです。そして7日は、人を大切にする「人日(じんじつ)の節句」とされました。この中国から伝わった「1月7日=人日の節句」という考えと、日本古来の7種類の食材や、若菜を摘んで食べる風習がいつのまにかひとつになり、七草粥として根付いたと考えられています。

春の七草

セリ 芹

多年草。香りが強く、健胃、解熱作用がある。セリには「競り勝つ」という意味が込められている。

ナズナ(薺)

アブラナ科の越年草。ハート型の小さな葉が三味線のバチに似ていることからペンペン草とも呼ばれる。春に花が咲き、若葉にはミネラルが豊富。「なでて汚れを払う」という意味が込められている。

ゴギョウ(御形)

キク科の越年草で、別名ハハコグサ(母子草)日当たりのよい道端や田んぼによく自生しています。
「仏さまの体」を表すと言われ、咳止めや利尿薬としても利用されてきた野草。

ハコベラ(繁縷)

ナデシコ科の野草で、秋に発芽して越冬します。現在、市販されているのはコハコベという種類がほとんど。柔らかくて食べやすい野草。「繁栄がはびこる」とされる。

ホトケノザ(仏の座)

本来のホトケノザはシソ科の植物なのですが、春の七草のホトケノザは、実はコオニタビラコ(小鬼田平子)というキク科の別種の野草。若葉は柔らかく、湿地を好むので田んぼやあぜ道でよく見られます。名前の通り、仏さまの座る場所を表す。

スズナ(菘、鈴菜)

スズナとはカブ。冬が旬で、七草粥ではごく小さなものを葉や根も一緒に利用して食べる。スズナという名前には、「神さまを呼ぶ鈴」という意味があるのだとか。

スズシロ(蘿蔔)

スズシロとはダイコンの古い呼び名。ビタミンAなどのほか、消化を助けるジアスターゼを豊富に含む。七草粥では小さなものを葉や根も一緒に利用して食べる。スズシロは清白とも書き、「汚れのない純白」という意味がある。